元NY知事の高級娼館通いを代弁する「男の本音?」

今回は、急きょ、予定を変更し、

元NY知事エリオット・スピッツァー氏が辞任するきっかけになった、

高級娼館通いの背景、

女にとっては理解することも許容することも難しい「男の下半身」について

女として、少しでも理解する努力ぐらいはしてみようと、

通称「社交界のテロリスト的エッセイスト」タキによる著書、

「ハイライフ」の中で、

彼の視点で書かれているマダム・クロードの館についてご紹介します。



タキ氏は、1937年ギリシャ生まれ、つまり御年70歳。
祖父はギリシャの元首相、父は海運王。
教育はアメリカのボーディンぐスクールで受けています。
スポーツ万能でスキーはオリンピック選手、
テニスではウィンブルドンなどにも出場。
ポロの選手としても有名で、NYでは西村先生にカラテを習っている。
もちろん、夜のスポーツ、ナイトクラビングもお得意です^^

「ハイライフ」を書かれた頃は、ギリシャではスポーツを、ロンドンではパーティに明け暮れ、NYでは孤独を楽しみ、気が向くとエスカイヤーなどに上流階級のライフスタイルについてコラムを書くというなんとも羨ましい生活を送っていらした模様。

NYでは5番街にお住まいで、
現在の奥様は、オーストリアのハプスブルグに繋がる家柄のプリンセス。
今も政治的なコラムを書いてらっしゃいますが、現在の肩書は「フィランソロピスト」。

でもね、若いときは相当に短気で、むちゃくちゃなこともしてらっしゃいます。

たとえば、若くて美しいけれど、

超嫉妬深かった最初の妻、カラマン公爵令嬢とスイスのホテルの最上階で大ゲンカをし、

怒りの挙句、彼女のスーツケースを窓から放り投げて、

ちょうど下を歩いていたスイスの大統領の頭にもう少しで直撃するところだったといいます。


けれど、老境に入った途端、
これまでの償いをするかのように世の中に尽くしてらっしゃるようです。


よくいますよね、こういう方。

さて、このタキさん、当然といえば当然ですが、

マダム・クロードの顧客のお一人だったようで、

マダム・クロードの娼館についてはこんなふうに書いてらっしゃいます。

「客が帰ると言い出すまではお金のことには一切触れない。いざお金を払う段になってもその受け渡しにはきめ細かい配慮が行われる。特別な客にかぎりツケもきいた」
そしてそこで働いている女の子たちは、

「下積みの女優、ダンサー、中には幸せな結婚生活を送りながら小遣い稼ぎにやっている女性もいた(まるでカトリーヌ・ドヌーブがとびきり美しかった映画、「昼顔」そのものですね)



そして、

後に侯爵夫人の座におさまった美女や映画女優も輩出しています。

タキはマダム・クロードの電話番号を、

ドミニカ共和国のプレイボーイで当時のフランス公使だったルビロザから、

彼のポロチームの勝利にタキが貢献したご褒美に貰います。

けれど、その際、

「いいかい、そこは淫売宿ではないんだ。いつものような無愛想な態度は絶対とらないように!」

と釘を刺されます。

つまり紳士的な態度で臨むように、ということです。


そしてそのプレイボーイ、ルビロザ(*)と彼は、新婚だったにもかかわらず、午後はせっせとマダムのもとに通うわけです。

060.gifルビロザ

最後は酔っ払ってフェラーリを運転中、ブローニュの森で事故を起こし亡くなります。一度目の妻はドミニカの独裁者で1961年に暗殺されたトルヒーヨの娘、2度目の妻はフランス女優、3度目の妻はアメリカの女相続人ドリス・デューク、4度目の妻はバーバラ・ハットン

そしてわたしが、

うっそ~っ

と読みながら突っ込みを入れたくなったのはここです。

ここを訪ねることが幸福な新婚生活に寄与することをルビロザは強調した。たしかにそのコントラストはいい刺激になった。まぁ、いってみれば、冷たいシャワーを浴びた後サウナに入るようなものだった

そしてここの顧客には、JFKを始め、世界的実業家、名士が名を連ねていたわけです

しかし、1974年、ある政治家が妻とマダム・クロードと週末を過ごし、

いわゆる古典的なフランス流3人パーティをやってのけ、

それが元凶となり、ジスカール・デスタンの手でマダムは起訴され、

組織は閉鎖されるのです。

そしてそのタキが、男というものをまったく理解していなかったわたしの頭をハンマーでが~んと殴ったのはここです。


旧大陸(ヨーロッパ)の男たちにとっては、なんでも打ち明けることのできる分別ある妻と、お話などは無縁の金ピカの情婦をもつことはいわば常識である

こら~~っ! 

いい加減にしなさい!!


と、突っ込みを入れたくなるのはわたしだけではないですよね。

「多少偉そうに聞こえるかもしれないが、アメリカを愛する多くの見識あるヨーロッパ人は、アメリカ人を生真面目で世間知らずな存在だと見なしている。が、同時にそれをなによりも愛すべき国民性だとも考えているとも、おっしゃっています。

そして老境にさしかかって、長年連れ添った妻と離婚し、娘より若いイタリア人女性と結婚したヘンリー・フォードを「ひとの情婦と結婚する男は、二重にバカを見る」とおっしゃるの。

同じ大手自動車メーカーの社長でもフィアットのジャンニ・アニエッリは、愛人たちを集団で引き連れてパーティを開いたりしても、最初の妻と最期まで一緒だった、と比較するわけです。

う~ん、わたしとしてはフォードもアニエッリもどっちもどっちだと思うんだけどね。

もしここでスピッツァー事件を持ち出せば、タキさんならこうおっしゃることでしょう。

探せばだれからでも出てくるはずのプライベートな問題のほころびを見つけて、鬼の首でもとったように政治家を引きずり降ろそうとするなんて、いかにもご清潔なアメリカ人らしいやり方だ


タキの本って男の本音が時には辛辣なユーモアを交えて書かれていて、ある面痛快だけど、
女にしてみれば「あんたね~」、と言いたくもなります。





「ハイライフ」ちょっと古いけど、ニューヨークやロンドン、パリをよくご存じの方は楽しめるのではないでしょうか。

何より、男の本音を忌々しいと思いつつも学んでみようじゃないの、と思う女性の方にはお勧めです。

途中で呆れて本を投げ出してしまったとしても、それも納得。

でも、わたしたち女がつきあっていかなくてはいけない男がそこには描かれているように思います。


よくも悪くも。


ただ、最後に一言だけいいたい。

子供、特にお嬢さんがいらっしゃる貴男なら、

一生後悔したり、お嬢さんを傷つけるようなことだけはしないで。


072.gif参考文献

ハイ・ライフ (知恵の森文庫)

タキ / 光文社


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by rumicommon | 2008-03-23 10:34 | 女目線で応援するいい男」


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