NY発! 世界の富豪を打ちのめした史上最悪の金融詐欺

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自分の身や絵画みたいなAssets(資産)ならボディガードやシークレット・サービスが守ってくれるかもしれないけれど、Liquid Assets(現金)や投資に関しては、たとえナスダックの元会長でさえ信じられないご時世です。


つい1か月ほど前、
サンクスギビングのホリデーに、
ハンプトンの空港から、
4人乗りの小さな自家用飛行機を所有する知人に、
ロングアイランドの上空を案内していただきました。


その際空港に、白地にワインレッドのかなり大きなプライベートジェットが停まっており、
「あれは、スピルバーグのジェットだよ」と教えてもらいました。

たまたま、サンクスギビングの休暇を、ハンプトンのご友人のお宅でお過ごしだったのでしょう。

そのスピルバーグさん、まさかその10日後には、
彼が信用して長年資産を預けていた会社の社長が、詐欺の容疑で逮捕され、
事実上、預けていたお金は、すべて水の泡と消えてしまうことを、予期していたでしょうか。

しかもその会社の社長は、ナスダックの元会長。
その人、Madoff/バーナード・マドフさんは、
世界中のユダヤ系ネットワークを中心とする大金持ちたちを顧客にもつ、
ご自身の名前の会社、マドフ証券のオーナーでした。

30年にわたり、円に換算して1兆円を超えるファンドを、
毎年、順調に最低でも10%以上の利回りで運営してきた、
その業界では大御所もいいとこ、
その長年にわたるコンスタントな配当はクライアントたちの信頼とお金をぎゅっとつかんでいたわけです。

上顧客は、スピルバーグさんをはじめ、
マドフさんが、パームビーチやロングアイランドの高級カントリークラブで知り合った名だたる富豪たち。

この事件をきっかけに、今年の長者番付の順位が大幅に変わることは間違いがなさそうです。
金融危機のこの時期だからこそ、世界に与えたインパクトは多大なものになりそうなのです。


マドフ証券のイメージは超エクスクルーシブ。
こちらがお金を預けたいといっても、
マドフ証券の審査にかなわなければ口座を開くことすらできなかったのです。
で、断られる人もたくさんいたそう。

敷居の高さをマーケティングツールにし、
高級プライベート・クラブ的イメージを保って、
「口座を開けるだけでもありがたい」的な戦略で
多くのお金持ちたちを罠にかけていたわけですね。


チャリティにも積極的だったマドフさん、
多くのチャリティ団体やシナゴグ(ユダヤ教の教会)、学校などのお金も多分にあずかっていました。

日経新聞によると、日本からも、
あおぞら銀行、野村ホールディングなどが180億円、270億円の投資をしていたようです。


わたしの周囲でも、
友人のご主人が勤務する会社の同僚のお父上が、巨額の投資をしており、
その事件をブルムバーグニュースで知ったその方、
会社で、大の男が泣き崩れたといいます。

多くの人にとって、
この金融危機にあって、
長年順調な配当を返してくれるマドフさんは、
最後の砦といってもいい存在だったことでしょう。


でも・・・・・
彼の会社、実際は真っ当な投資で得ていた利回りではなく、
すべてがまったくの詐欺だったわけです。


その彼に預けていた財産は、

きっと・・・・・

もう・・・・

戻ってくることはない、と知ったその驚き・・・・・



ポンジースキームといわれるその古典的な詐欺の手法は、
元はといえばポンジーさんという人が始めたもので、
いうならばネズミ講みたいなもの。

古くからの顧客への配当は、正当な投資からではなく、
新たに加わった顧客の資金から回されていたのです。

それも、新顧客がどんどん口座を開いてくれるうちは自転車操業同様でまわっていました。

けれど、歯車が狂い始めたのは、2007年。
世の景気が悪くなり始め、
顧客たちが預けていた資金の、円に換算して2兆7千億円を戻してほしいといい始めた時でした。
その金額があまりに巨額だったため、資金繰りに困り、
ついにマドフさん、同会社で働いている息子ちゃん二人に、
「実はこの会社の仕組みは詐欺なんだよ」と漏らしたことが逮捕のきっかけとなりました。

で、蓋を開けてみたら、
総額5兆円の損失を計上していることがわかったのです。

この会社に巨額の投資をしていたある投資家は、
この事件を知り、自殺をはかりました。


さて、単純といえば単純な詐欺事件、
どうして、過去に2度も審査に入ったSEC(証券取引委員会)さえ見抜けなかったのでしょう。


ナスダック会長というマドフさんへの畏怖の念と遠慮だったのでしょうか。


また、顧客には、有名なヘッジファンドの会社も含まれました。
ファイナンスのプロがどうして、見抜けなかったのでしょう。


ここからは、あまり書かれていないことですが、

マドフ証券の投資内容については長年、ベールに包まれ、
すべてが秘密主義で行われることで有名だったようです。

普通なら決算書や、投資先に関する詳細を取り寄せるところでしょうが、
マドフ証券に関しては、それはご法度。
入会のお約束として、
マドフを信じてお金を預ける人だけを対象としていたといっても過言ではありません。

マドフさん、ナスダックの会長だっただけではありません。
アッパーイーストの有名なCoopのボードプレジデントでもあったのです。

長年の輝かしい経歴、配当実績を信じてみんな、すっかり騙されちゃったわけですね。


唯一、ファイナンシャル関係の「バロン」紙だけはマドフ証券の利回りが、景気のUP&DOWNにかかわらず毎年あまりに均等であることに疑問を感じていたようです。

あるレポーターが、マドフ氏のインタビューに成功し、
彼がほのめかした通りの実績を分析してみたのです。

けれど、彼のいう通りにしても同社の配当は得られないことが明らかになりました。

何かおかしい・・・・・・

この事件、
残念ながら「バロン」紙のスクープで暴露されるという形はとりませんでしたが、
長年にわたる詐欺事件、やっと明るみに出たら、
それは大惨事といっていい被害をまき散らす形で終焉することになってしまいました。


自分の人生にも匹敵するツール、お金を預けるなら、
やっぱり、その詳細はしっかりチェックすべきですね。


この事件について考えながら、最後の最後までひっかかったこと、
それは、マドフさん、会社を設立した当初から、本当に人をだますつもりだったのかということ。

きっと最初は、だますつもりは毛頭なく、真っ当な投資をしていたのではないかしら。
と、わたしは信じたい。

けれど、それがあるとき、つまづき、
責任感と、間違った職業意識と、プライドからか、苦し紛れに
「いいや、損しちゃった分、今回だけは新規顧客からの資金を配当に回そう」と
詐欺への一歩を踏み出し、
また次の年も損失を計上し、
ついつい泥沼にはまっていったのでは・・・・・


emoticon-0171-star.gifマドフさんにお金を預けて損しちゃった人に、グリーンスパンさんもいらっしゃいます。あの元FRB議長のアラン・グリーンスパンではなく、精神分析医のスティーブン・グリーンスパンさんですが^^;

彼がウォールストリート・ジャーナルに、自分も含めて、知的な人がどうして騙されれるのか、その心理について、面白い記事を書いてらっしゃいます。

Why We Keep Falling for Financial Scams

いろいろ書いてらっしゃる中でう~んと唸ってしまったのは、
マドフ証券の配当は、あまり良すぎるということなく、ほどほどで、毎年コンスタントだったため、多くの専門家さえだまされたという下り。

ご興味のある方、ぜひ読んでみてください。
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by rumicommon | 2009-01-03 06:57 | NY1%未満の時事 | Comments(0)


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