カテゴリ: ーニクソン元大統領( 2 )

NYアッパーイーストで徹底して嫌われたニクソン大統領

 072.gifこの記事は、週刊NY生活の連載「NYビルディング万華鏡」に連載されたものに一部手を加えたものです。他のコラムとは文体が異なりますが、ご了承ください。


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弾劾裁判を避けるように、辞任したニクソン。ホワイトハウスを後にする最後の瞬間。



 前回ご説明したように、米国史上前代未聞の醜聞ウォーターゲート事件はニューヨークでも大きな衝撃を与えることになった。

最終的にサットンプレイスに住むことになったキッシンジャーでさえ、ニクソン政権時代、ウォーターゲート事件に近かったという理由で、パークアベニューのCoopからは入居を拒否されたほどである。


まして事件の中心人物であるニクソンは、Coop入居は潔く断念し、うるさい住人で組織されたボードによる審査がない、コンドミニアムを購入することにした。


これ以降は、スティーブン・ゲインズ著「ザ・スカイズ・ザ・リミット」から引用させていただく。


ニクソンが購入を希望し、オーファーを出したのは、五番街と63丁目の五番街八一七番地、
4千平方フィート、ビルのワンフロアーを丸ごと占める11部屋からなるアパートだった。


売り主は百万ドルというニクソンの申し出価格を受諾することにした。(2005年に6階の似たようなユニットが約1千万ドルで売却されているから値段は30年で10倍に跳ね上がった計算だ)


ところが、今回も住人たちが大反対をした。
ニクソンが住むとなると、ビルのセキュリティは俄然厳しくなり、住人といえども、出入の度に、シークレットサービスにIDをチェックされることになる。


さらに屋上、地下、ロビーを網羅したセキュリティシステムを強化し、ビルの前に小さな交番のようなブースを設ける必要があり、その莫大な金額は国民の税金から負担されることになる。



しばらくすると、売り主は、匿名の中傷、嫌がらせの手紙を受け取るようになった。


そして、ニクソン本人は、もっと数多い中傷誹謗の手紙を受け取り、絶え間ない暗殺の危機に怯えながら生活をしていることを知った。


一方、同ビルの住人たちは一丸となって、売主相手に訴訟を起こすことにした。


ニクソンにアパートを売ることで、ビルの資産価値を著しく棄損したというのが理由だった。


さすがのニクソンも再び、一度出したオーファーを引っ込めることにした。


しかし、ここまで悲惨な経験を強いられてもまだアッパーイースト暮らしを諦め切れないニクソン、最終的には、ベテランブローカーの提言によりタウンハウスを買うことにした。
タウンハウスであれば、同じビル内に隣人が住むこともない。
プライバシーも保て、一番ありがたいことは、ボードによる審査がないことだろう。


レキシントン街とサードアベニューの間にある東一四二番地65五丁目で、現在はシリア政府の建物となっているタウンハウスだ。


その後、数年そのタウンハウスに住んだニクソンは、最終的には、ニュージャージー州に引っ越した。


マンハッタンでの人目の多い生活に耐えられなくなったのではないだろうか。


サドルリバーに引っ越したところで、最愛の妻パットに先立たれることとなった。あまりいい思い出のないニューヨークでの数年だった。


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by rumicommon | 2009-05-15 03:06 |  ーニクソン元大統領 | Comments(0)

NY上流に徹底して嫌われたリチャード・ニクソン元大統領

 072.gifこの記事は、週刊NY生活の連載「NYビルディング万華鏡」に連載されたものに一部手を加えたものです。他のコラムとは文体が異なりますが、ご了承ください。


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photo/ⓒTime inc.(personal use only)
ニクソン元大統領、就任式。ケネディから引き継いだベトナム戦争を泥沼試合に持ち込んだ挙句終結。2期目のキャンペーン中ウォーターゲート疑惑に巻き込まれ、再当選したのち、辞任。ハーヴァード、イェール、プリンストン大など出身の並みいる閣僚や政治家たちの間にあって、学歴の面で(不必要な)コンプレックスが本人を苦しめ続けたといわれている。



マンハッタン、アッパーイーストでは、パークアベニューから五番街近辺の由緒あるビルほど、お騒がせなセレブ、有名人を嫌う傾向にある。

 住人の主に長老たちで組織されたボード(委員会幹部)審査で、気に入られなかったバイヤーは、どれだけ富を提示しても入居を断わられるということはこれまでも何度も書いてきた。


 嫌われるのは芸能人やハリウッド関係者だけではない。政治や元大統領も例外ではない。


 前回ご説明した「リバーハウス」に住むキッシンジャーは、この連載で以前に取り上げたパークアベニュー740番地への入居を断られたと、マーク・グロスは著書「740Park Avenue 」で書いている。

 ノーベル平和賞を受賞するという輝かしい功績を残した政治家さえ、ボードの面々とそりが合わないと入居を断られるのだ。

 というか、キッシンジャーがこの時点で住まい探しで苦労を強いられた理由は、ニクソン政権時代、ウォーターゲイト事件のかなり近い部分にいたということが原因だったようだ。
 

 まして米国史上初めて現役の大統領で辞任に追い込まれたリチャード・ニクソンがこの界隈で総スカンをくったとしても不思議はない。



 再選を有利にするために、敵である民主党本部に盗聴器を仕掛けようとしたウォーターゲート事件で、前代未聞の醜聞にまみれ、弾劾直前で辞任したニクソン。
 



 大統領には再選したものの、大統領補佐官らがまず辞任に追い込まれ、本人も弾劾裁判を前に辞任することになった。
 



 ワシントンを後にしたニクソンは、カリフォルニアのサン・クレメンテで五年間を過ごす。が、何か思うことがあったのだろう。その後一九七九年には、ニューヨークに引っ越してきた。



 ニクソンの住まい探しも最初はスムーズに進むかのように見えた。

 ロザリオ・カンデラという1930年代の有名な建築家が37年に建てた東七二丁目一九番地(40世帯ほどのこじんまりとしたCoopで、)の九部屋、三寝室、リビングルーム、フォーマルダイニングルーム、ライブラリー、メイド部屋二つ、キッチン、バスルーム五つからなる最上階のユニットを購入すべくボード審査も通過した。   


 このビルは、一番小さなユニットでも七部屋、二寝室、メイド部屋二つ、バスルーム四つ、大きなユニットは一一部屋という比較的ゆったりした造りのビルで、ニクソンが買おうとした同じアパートが四年前、一千五百万ドルで売れている。


 ところが、そのことがニューヨーク・タイムズ紙に掲載されると、ボード以外のビルの住人たちがニクソンの入居を激しく抗議し始めた。


 
 結局、ニクソンは住人たちの反感を押し切ってまでこのビルに住むことは諦め、「アッパーイースト住まい探し」の長い放浪の旅にでることになる。
 
 (このお話次回に続く) 
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by rumicommon | 2009-03-27 21:29 |  ーニクソン元大統領 | Comments(0)


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