かれこれ30年ほど前

ニューヨークに住み始めてまもない頃

日本の歴史あるマダム雑誌で

インテリア拝見みたいなページを

担当させていただいていました。

当時の言い方で言えば

社交界マダムが暮らす

素敵なご自宅を2年間にわたり

たくさん訪問することができました。

その時心に残ったのは。。。

インタビューで何気なくおっしゃった

マダムのこんなお言葉だったりしました。

「予算が限られているなら

家具にはお金をかけなくても

絨毯と壁にかかっているアートで

その部屋の格が決まるの」

これはソーシャライト＆

インテリアデザイナーのマダムです。

また、その具体的なまとめ方として

「アートを引き立てるために

家具は全て白、飾るお花も

白の胡蝶蘭と決めているの」

と、おっしゃったコンテンポラリーアート関係者の間では名が知られているカップル。

ご夫婦で新進アーチストに着目するアートコレクターとして有名でした。

一度撮影を兼ねてお邪魔し、あるイギリスの新進アーチストがニューヨークにきているとき、彼のために開催されたご自宅でのランチ会にもお招きくださいました。

子供がすでに巣立った後の二人暮しだからできる白の大人のインテリア。

唯一コーヒーテーブルと絨毯がベージュというかニュートラルだったような。

一方で、壁にかかっている絵はどれもかなり個性が強く、夜、ほの暗い中その部屋で一人過ごせば夢見が悪そうなものもありました。

ただ、白い壁、白の調度類の潔さは清潔感にあふれ、絵画の怖いオーラをゆるめてくれる役割を果たしていました。

さて、抵当流れで買った暗くて、古くて、汚いワンルームを全面改装する際、このアイディアがとても役に立ちました。

家具、調度品は白基調。

上のマダムたちとの違いは、

家具はもちろん絨毯にもアートにも

お金をかけないことですけれどね。わはは。

前の記事でも書きましたが

ワンルームに使った色は

床と大きなドレッサーと椅子、

ベッドフレームがブラウン

数少ない家具類は白かニュートラルです。

壁はできれば白い空間を

なるべく多く残しておこうということになりました。

ただでさえ狭い空間にたくさん絵を飾ると

狭苦しい感じになるからです。

結局、壁には絵は飾らずに

娘がI phoneやわたしの９０年代の

３５ミリのカメラで撮りためた写真を

モノクロにしてクロップしたものを

額に入れ、何点かコラージュ風に

並べることにしました。

アール・デコのサウスビーチの建物の写真に混じり

娘たちがナイトアウトして楽しんでいる写真たち。

が、もう一面の壁はとりあえずは

何もなしで様子をみるということになりました。

ただ、写真はモノクロで

これだけだと色が足りない感じです。

そこで白基調に色をさすために

コーヒーテーブルブックで

暖かい黄色とオレンジをさす。

絵を飾る時なかなか難しいのは

完璧にまっすぐに飾ること。

そのためこんな小道具を使います。

中央のバブルが完璧に中央にきたら曲がってない証拠です。

絵を壁に置いたらその上にこのバブルをおいて

中央にバブルが来るように絵を飾ります。

これは専門の釘たち。

あの汚くて暗くて古いお部屋が

それほどお金をかけなくて一変しました。

ちなみにカーペットは２００ドルぐらいの耐久性のある麻でできています。

今日のニューヨークは氷点下7度でした。

みなさまがお住いのところはいかがですか？

どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。

良い週末を！

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