愛するスーパーシングルファーザー : NY人生一瞬先はバラ色

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愛するスーパーシングルファーザー

夫の高校時代からの親友、

グレッグが新しく引っ越した

独身一人暮らしのおうちを訪ねました。

全てがOvet the Topという表現がふさわしいグレッグ。

子供が巣立ち、ダウンサイズのため引っ越した新しい住まいも、彼の感性やエレガンスを体現した唯一無二と言っていい、一等地にある美しいタウンハウスです。

本来なら4人の子供たちも巣立ち

優雅な一人暮らしのはずですが。

今は一時的に、二番目のリズちゃんと

四番目のナタリーちゃんが一緒に住んでいます。

ちょうど二番目のリズちゃんが家にいて、

すぐに四番目のナタリーちゃんも帰宅しました。

二人は、久しぶりに会うわたしたちに挨拶をすると

大人のつまらない話に耳を傾けながら、

ずっと同じ部屋にいてくれました。

22歳と24歳の二人。

この年齢の女の子が父親の友だちとの会話に参加するって珍しくないでしょうか。

普通ならささっと挨拶をして、その場を離れるように思います。

美しく聡明に成長した二人。

ニューヨークのおばちゃんは思わず目を細めて、目頭に熱いものがこみ上げてきました。

このグレッグ、

実は20年以上前、愛する妻を亡くしています。

三番目と四番目の双子ちゃんが妻のお腹にいた時、膵臓癌が発覚したのです。

妊娠中は子供がお腹で育つため、あらゆるホルモンが爆発的に分泌されます。

そのため、まだ30代と若かった彼女の癌の進行も一気に進んでしまう危惧がありました。

当時の彼女のチョイスは２つ。

妊娠を断ち切り、胎児たちを諦めて、治療に専念するか。

それとも。。。

子供たちを無事出産するまで、手術も治療もせず、つまりは自分の命と引き換えにするか。

彼女の意思は堅く、２つのチョイスを天秤にかける迷いはありませんでした。

彼女は後者を選びました。

こうして癌のステージ４で双子を出産した彼女。

半年後にはこの世を去りました。

グレッグは最期まで本当に甲斐甲斐しく彼女の面倒をみました。

当然ですが、双子ちゃんはお母さんの顔を知らずに育ちました。

彼らを訪ねた晩、グレッグと一緒に食事をしながら、ついつい言ってしまいました。

「グレッグ、本当によくやったね。最高のいい男であり父親だよ。

みんなこれ以上は望めないほど立派に育って、天国のクリスティーンはどんなにあなたを誇りに思っていることか」

するとグレッグはこう言いました。

「いやいや、周囲のみんなに助けられてここまで来たんだよ。クリスティーンの両親は本当に甲斐甲斐しい祖父母だし、ローリー（クリスティーンが亡くなった直後から20年近くつきあっていたガールフレンド）は子供たちにも好かれ、準母親的役割を果たしてくれたし、ナニーやベビーシッターにも恵まれて、みんなに心から感謝しているよ」

初めて彼に会った時、正直に言って、どうしてこの彼と夫が親しいのか理解ができませんでした。

夫はかなりの倹約家

グレッグは若い頃からヨットやレアなビンテージカーやコンテンポラリーアートを所有し、何かにつけてすることが派手です。

お金の使い方もとにかく豪快なのです。

加えてこちらで書いているように、決してバラを口に加えて登場する王子様タイプではないのですが、なぜかすごくモテる。

その彼が選んだ相手は、スポーツ万能、健康優良児そのものでリーダータイプの美しい女性起業家でした。

結婚式の様子が今も鮮明にフラッシュバックします。

彼女が最初の子を身ごもっていた頃、うちに夫婦で遊びに来てくれて、生後２週間の娘をベビーシッターさんに預けて一緒に食事に行ったときに、彼女が着ていた妊婦服まで覚えています。

その彼女がそれから3年後に癌で亡くなるなんてだれが想像したでしょう。

生まれて間もない双子ちゃんも含め

4人の子供たちの大学資金にと

一人ひとりにトラストファンドを開設し