ジャクリーンケネディと真珠その歴史とお手入れ
ジャクリーン・ケネディが亡くなった後、彼女の身につけていた宝飾品がオークション会社のサザビーズを通じて競売にかけられました。
どんなものが出てくるのかしら。
とても興味があったわたしは、当時ジャーナリストとしてサザビーズへのアクセスがあったため、競売前に目録を見てオークションにも参加することにしました。
目録にはたくさんの真珠のネックレスが並んでいました。
そして驚いたことに、真珠のネックレスのほとんどが、いわゆる模造品でした。
また、ものすごく価値の高いジュエリーはほとんどありませんでした。
もしかしたらそれらは、家族が手放すことをせず競売にかけられなかったのかもしれません。
競売の日、多くの真珠のネックレスは模造品であることをみんな了解しているにもかかわらず、法外なお値段で落札されていました。
ただの偽物の真珠のネックレスなのに。
ジャッキーという女性のカリスマ性はすごいですね。
真珠はいにしえより「月のしずく」「人魚の涙」とも呼ばれ、世界の人々を魅了してきました。
真珠の歴史は意外にも古いのです。
エジプトでは紀元前3200年頃から既に知られていたと言われ、クレオパトラが酢に溶かして飲んだという話はあまりにも有名です。
また、海に潜って、真珠を集めていた世界最古の地域はアラビア半島であるとされています。
その中でもバハレーン島が真珠採集の中心地でした。
古代メソポタミアの歴代の王は真珠を愛し、当時の遺跡からまとまった数の真珠が出土しています。
古代日本もそれら他国と同様、アコヤ真珠の一大産地でした。
古代の日本人は真珠を中国への朝貢品として使用しており、真珠は日本最古の輸出品のひとつだったのです。
中国の「魏志倭人伝」や、「後漢書」にも日本の真珠の記述があり、その歴史がうかがい知れます。
(※参照/こちら)
真珠は20世紀に入るまで、法外なお値段の貴重品でした。
ネックレス1本、家が一軒買えるぐらいしたのです。
そこでココシャネルは、模造真珠と本物の真珠を組み合わせて使いました。
それにより、本物と模造の境界をあいまいにし、真珠は特権階級の象徴から、服に合わせるためのアクセサリー(コスチュームジュエリー)になったのでした。
それも「真珠王」御木本幸吉(1858―1954)が、苦闘の末初めて真珠の養殖に成功するまでのことでした。
真珠の養殖は、アコヤ貝が体内に侵入した異物を外套膜から分泌された真珠質で包む性質を利用し、貝の体内に球体に削った核を外套膜と一緒に挿入し、真珠層を形成させて行います。
こう書いてしまうとそうなのかと思われることでしょう。
けれど、貝の立場に立ってみれば、いきなり外部から異物を無理やり投入されるのです。
その異物の存在に耐えきれなくてそのまま生き絶える貝も多いのです。
なんとか生きながらえた貝は、命懸けでその異物を体液のような真珠質で包み、身を守ろうとするのです。
こうして形成されたのが真珠なのです。
命懸けで身を守った貝は、異物が真珠に変わるや否やまたこじ開けられて、それを取り出されるのです。
なんとも残酷といえば残酷なプロセス。
美しい真珠にまつわるホラーストーリーとも言えます。
そのプロセスを知ってしまうと、今持っている真珠のアクセサリーはとにかく大切にしようと思います。


さて、その真珠を長持ちさせるお手入れについて書いておきます。
真珠も汗、漂白剤、香水、海水、その他のケミカルが苦手です。
せっかく命懸けで巻いてくれた真珠層を長持ちさせるために、特に夏の着用後は柔らかい布で優しく拭いてから、宝石箱など日の当たらない涼しい場所にしまいます。
また、真珠のネックレスを身につけるときは、耳や首元に香水をふりかけるのはやめましょうか。
長く直射日光に当てるのもできれば避けましょう。
よく美術館などに展示されている真珠の宝飾品は、その輝きが失せていると感じる方は多いと思います。
とてもデリケートな真珠。
けれど、だからこそ美しい。
耳元や首元に真珠のアクセサリーを身につけると、顔がぱっと映える効果があります。
永遠の真珠。
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by rumicommon
| 2023-09-24 07:03
| ニューヨーク流ファッションを楽しむ
|
Comments(2)
こんにちは~
ファッションに置いてけぼりされた私には高嶺の花のような
rumicoさんのブログに初めてコメントさせて頂きます。
ジャクリーヌ夫人のファッションセンスとそのカリスマ性は
今もって語り草ですがパールも絶対のアイコンですね。
ジバンシーと思っていたスーツはシャネルだったのですね。
コンパクトで今尚憧れのスタイルです。
rumicoさんのパールに対する解説とコレクションに魅入ります。
弾丸パリ旅行も今になって知ることが惜しいですが、思い出を辿っています。エッフェル塔の輝く時間は、昔のホテル日航の近くで。新生デパートのサマリテーヌはセーヌ川の直ぐ
近くに在ったような気がします。
すっかり寂れたころで中がそのような骨組みになっていたのは知らず見上げることもなく、化粧品を買って直ぐに出てきましたが低層だったからきっとそのデパートと思います。
ファッション情報と共にrumicoさんの素適な日常に触れ、学べることを嬉しく思います。
ファッションに置いてけぼりされた私には高嶺の花のような
rumicoさんのブログに初めてコメントさせて頂きます。
ジャクリーヌ夫人のファッションセンスとそのカリスマ性は
今もって語り草ですがパールも絶対のアイコンですね。
ジバンシーと思っていたスーツはシャネルだったのですね。
コンパクトで今尚憧れのスタイルです。
rumicoさんのパールに対する解説とコレクションに魅入ります。
弾丸パリ旅行も今になって知ることが惜しいですが、思い出を辿っています。エッフェル塔の輝く時間は、昔のホテル日航の近くで。新生デパートのサマリテーヌはセーヌ川の直ぐ
近くに在ったような気がします。
すっかり寂れたころで中がそのような骨組みになっていたのは知らず見上げることもなく、化粧品を買って直ぐに出てきましたが低層だったからきっとそのデパートと思います。
ファッション情報と共にrumicoさんの素適な日常に触れ、学べることを嬉しく思います。
1
> sonomaさま、
こんにちは!
コメントありがとうございます!
憧れの方からのコメントに思わず飛び上がりそうになってしまいました。
ファッションに置いてけぼりだなんてとんでもないです。
さらりと見せてくださるお帽子やワンピースやおみ足があまりにも美しく、は〜っとなっているのはわたしだけではないと思います。
そんな方から過分なお言葉をありがとうございます。
ジャクリーヌ夫人のスタイルはいつみても永遠ですね。そしておっしゃるようにあのシグネチャー的な3連のネックレスが果たしている役割の大きさを感じます。
朧げな記憶ですが、オークションの会場では、似たような模造品の3連のネックレスがたくさんあって驚きました。みんな微妙に違って、それを使い分けていらしたのでしょうね。
sonomaさまも弾丸パリの思い出がおありなのですね。
はい、サマリテーヌはルーブル美術館横、セーヌ川のすぐそばです。
セーヌ川の近くの低層のデパートはここだと思います!
こちらこそsonomaさまとブログを通じて交流させていただけることを心から嬉しく思っています。どうぞよろしくお願いします!
こんにちは!
コメントありがとうございます!
憧れの方からのコメントに思わず飛び上がりそうになってしまいました。
ファッションに置いてけぼりだなんてとんでもないです。
さらりと見せてくださるお帽子やワンピースやおみ足があまりにも美しく、は〜っとなっているのはわたしだけではないと思います。
そんな方から過分なお言葉をありがとうございます。
ジャクリーヌ夫人のスタイルはいつみても永遠ですね。そしておっしゃるようにあのシグネチャー的な3連のネックレスが果たしている役割の大きさを感じます。
朧げな記憶ですが、オークションの会場では、似たような模造品の3連のネックレスがたくさんあって驚きました。みんな微妙に違って、それを使い分けていらしたのでしょうね。
sonomaさまも弾丸パリの思い出がおありなのですね。
はい、サマリテーヌはルーブル美術館横、セーヌ川のすぐそばです。
セーヌ川の近くの低層のデパートはここだと思います!
こちらこそsonomaさまとブログを通じて交流させていただけることを心から嬉しく思っています。どうぞよろしくお願いします!
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