「将軍」の日本語と英語が美しい。

日本語が70％以上。

しかも、古式正しき戦国時代の日本語をきちんと専門家が検証した上で俳優たちは話します。

加えて英語もクラシックな語彙も多くなかなかに麗しく詩的です。

日本語が戦国時代の武士の言葉なら、英語もそれなりに古めかしく格調がなくては。。。

エピソード６は・・・

タイトルの日本語はヴァンクーバーの書道家が書いているそうです。

この回もとても良くて、ついつい二度も見てしまいました。

テレビ画面から複写

The Willow Worldをうたかたと訳しています。

「うたかたの女」とはこの映画の中では遊女たち、塩野七生さんの小説なら、コルティジャーナ、英語のコーティザン、高級遊女にあたる女たちのことです。

ロンドンから難破戦で流れ着いた蛮人（イギリス人）安針の自国に帰りたい気持ちをおさめるため、虎永（徳川家康モデル）は、最高級の遊女のもとに彼を送り込むのです。

遊女菊を演じる向里佑香さん妖艶ながらギリギリ清潔感を漂わせるお菊熱演されています。

The Flower and Willow Worldといえばその名の通り、花柳界のこと。

ここでのWillow World もまさにそれ。

安針、通訳である鞠子、遊女お菊のお茶屋でのシーンがなかなかなのです。

遊女が内緒話のような柔らかなトーンで語る日本語とそれを鞠子が訳す英語も、女のわたしでも魅了されてしまう説得力。

その艶っぽい内容に普段は冷徹な鞠子の心が微かに乱れるのが伝わってきます。

菊が「安針様のお国とは多くのことが違うのでしょうね」

と聞くと、鞠子がそれを通訳し、安針が

「僕の国の娼婦は(お菊さんのように)サービス精神に富み知識欲旺盛ではない」

と答えます。

けれど鞠子はそれをそっけなく

「安針様はご自分の国が良いと申されております」

とお菊に伝えます。

この時点で彼女の心には、安針に惹かれる気持ちがあり、少なからずお菊に嫉妬を感じているのだろうか、とわたしは感じました。

わたしが詳細をここで再現するより、ぜひご覧くださり、耳で、目でそのシーンを堪能ください。

加えてこの回のもう一つのハイライトは、新しい五奉行候補である伊東が舞う能舞台。

わざわざ日本から能楽師を招き、由緒正しきその時代の衣装を身につけて、舞を再現しています。

残すところあと４エピソード。

先が楽しみでありながら

終焉を考えると切ない気持ちになります。

テーマ曲が流れる時枯山水の庭園がやがて大海原に変わります。お庭の石は海に屹立する山になりその合間を南蛮船が通り過ぎます。やがて船は砂の家紋の間をまっすぐに通り抜ける。
何度見ても好きなシーンです。

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