先日うちに遊びに来てくれた娘が「あのトレンチコートまた着てみようかな」とポツンと言いました。


あのトレンチコートとは13年前14歳の時に本人のリクエストで買ったもの。

買うにあたりとても迷ったコートでした。
14歳には贅沢なコートだったのです。

やっと私服が許された年齢で地味な校風の学校に通っていたため他のお母さんたちにはかげで何か悪く言われることを覚悟する必要がある代物でした。

ビリオネアのお嬢さんも含め着ている子はとても稀だったのです。
それでも悩んだ挙句わたしは買い与えることにしました。
元を十分取れるほど着倒したコート。かなり汚れていましたが丁寧に汚れはとって大切にクローゼットにしまっておきました。
お手入れの賜物で今見てもどこも老朽化した感じはありません。


まだお子ちゃまだったのでネームタグも貼ってあります。




14歳はアメリカでも「魔の14歳」と言われます。ちょうど思春期にさしかかり怒涛のホルモンの影響で精神的にグラグラし自分に自信が持てず不安定で娘も御多分にもれずハラハラさせられっぱなしでした。

きっと娘にとってそのコートは自信のなさと闘うための最強のツールだったのでしょう。

つきつめて考えてみれば
大人であるわたしたちだってブランド名にあやかり自分を鼓舞し弱さを隠す「鎧」の役割を期待して買うこともありますものね。


買ってあげたのはBrit というバーバリーの妹ブランド。けれど作りはお姉さん本ちゃんブランドと全く大差はありません。今はもうこのラインは作ってないようですね。

簡単に取り外せるライニングもついておりかなり寒くなるまで着ることができます。


14年ぶりにまた着てみようと思ってくれてこれほど娘に寄り添い守ってくれた服もなかったと感慨深い気持ちになりました。

良いものは時代を越えられる。例えそれが衣類であっても。。。