今回の帰国は、ギリギリまでキャンセルになるかもと危ぶんだのですがなんとか予定は全てこなすことができました。

そして不可能にしか思えなかった義母にまつわるミッションもやっと出口が少し見えてきました。

夫は義母がらみのそのミッションの遂行のために一足早く帰国しました。

が、ギリギリで、お会いしたかった澁澤健さんと奥様のみきさんとのお食事をキャンセルすることなく夫婦でお会いすることができました。

※健さんは日本資本主義の父、一万円札のあのお方、澁澤栄一の孫の孫に当たられます。

こちらのブログにもやっとかすかに光が差し始めたミッションインポッシブルについて書いておきます。

自分を鼓舞するために。。。

同じような苦境を乗り越えようとされている方と励まし合えたら嬉しいです。

大学時代にお世話になったゼミの先生は女性でした。

ご主人も著名な教育者でいらしたのですが早くに離婚されて一人暮らしをされていました。

息子さんが二人いらっしゃいました。

わたしはゼミの仲間と、大学を卒業したあと一度、一人でお住まいのお宅にお邪魔し他ことがありました。

一戸建ての家にお住まいですが、お庭が手入れされてなくて高齢で一人で手入れするのはさぞ大変だろうなと思いました。

それから数年経って、先生が老人ホームのようなところに入居されて退屈されているからと、またみんなで訪れました。

とても綺麗な郊外の施設でした。

かなり高級なホームであることがお見受けできました。

その時先生はこうおっしゃいました。

「一人で住むのが難しくなってきた頃、長男はわたしとの同居を覚悟していたんだけど、お嫁さんとわたしがあまり上手くいってないことを密かに憂いていたの」

「それでわたしね、あなたたちと同居するつもりはないわ。ホームに入るからどこか探してちょうだい、って言ったの。そうしたらここを探してきてくれて。夫婦揃ってそれはもう感謝してくれて、入居以来、月に二度は必ず遊びに来てくれるの。これでよかったと思ったわ」

とおっしゃいました。

その時はわたしも若かったし、自分が将来結婚することすら想像がつかなかったので、先生のそのご決断やその時のお気持ちを測ることはできませんでした。

が、今ならわかります。

できるものなら息子夫婦と一緒に暮らしたい。

それが無理でも近くにいたい。

施設などには絶対入りたくない。

そう思うものなのかもしれませんね。

我が義母も、お元気に夫の父親と離婚後、次のパートナーと仲良くされている頃は、口癖のように、息子たちに迷惑はかけたくない、とおっしゃっていました。

ところが2年前、40年近くカナダのトロントで連れ添ったそのパートナーが、動けなくなったタイミングで世話のかかる彼を打ち捨てるようにして、息子二人が住むニューヨークに来てしまわれたのです。

私たちにとってはまさに晴天の霹靂。

それからが息子たちの受難の日々の始まりとなりました。

「自分はアメリカ人だから、息子たちが暮らすニューヨークに住みたい」

そのお気持ちはわかります。

よーくわかります。

ただ、長年連れ添った人は大丈夫なのだろうか。

（いえ、大丈夫ではありませんでした。現在その彼は寝たきりで最期の時を待つような施設に寂しく入所してらっしゃいます）

もう帰るつもりはないとおっしゃるので、ニューヨークで彼女のアパート探しが始まりました。

しかしほどなくして、彼女はアメリカ人ではあってもソーシャルセキュリティ番号がないことが判明しました。

高齢でもありアパート探しは難航しました。

彼女の願いは、大好きな義弟が妻と暮らすブルックリンのアパートメントビルの中に小さな部屋を借りて住むことでした。

しかし、優しい義弟はキッパリ言いました。

「同じビルに住むのは無理。僕の結婚生活が破綻する」

結局アッパーイーストの我が家の数ブロック先にアパートを見つけて、住んでいただくことになりました。

今思えばそれがミッションインポッシブル１でした。

それでもなんとか危ない綱渡をして、暮らしていただくお部屋は見つかりました。

お引越しは大雨の日でした。

私たち、義弟、娘がずぶ濡れになって一家総出のお引越しでした。

ところが、彼女のニューヨークでの暮らしは、あちこちに地雷の散りばめられた場所に暮らすようなものであることがすぐに判明しました。

そんな地雷を抱えながらもなんとか2年が過ぎました。

そして、とうとう恐れていたことが起こってしまいました。