今回、南仏のサン・ポール・ド・ヴァンスを訪れて、ほぼ40年ぶりに心が高鳴る再会をしました。

20代の前半に出会った「フォロン/FOLON」というアーティストでした。

彼は２００５年にもう亡くなっているのですが、サン・ポール・ド・ヴァンスにチャペルを持っていて作品を展示しているのです。

ベルギー人のフォロン。生前はイタリアを拠点にしていました。作品は南仏に存在するオレンジ、グリーン、ベージュ中心に構成され司祭さんがシグネチャーです。

この絵を見て何か連想するロゴはありませんか？文章の最後に種明かしをします！

遡ること80年代、わたしは大学生でした。

当時神戸、芦屋近辺が大好きで、小林に住む友人を訪ねてよく訪れていました。

友人は瀟洒な住宅街にある家を友人たちと一緒に借りて、大学に通っていたのです。

それから大学４年生のとき、わたしは当時話題になり始めていた「JJ」という雑誌の仕事に関わるようになり、取材でもよく訪れるようになりました。

当時、神戸、芦屋周辺に住む女の子たちはとてもおしゃれで、読者モデルという言葉の走りとなった彼女たちの着こなしを取材させていただくためでした。

その関係で当時神戸や芦屋の大学に通っていたおしゃれな女の子たちと親しくなりました。

その頃神戸には、「舶来物」と呼ばれていたイタリアやフランスから直輸入してくるブランドを扱う小さなブティックがいくつかありました。

彼女たちはお母様やおばあちゃまと3代で贔屓にしているそんなお店で、服やバッグなどを購入していました。

東京のおしゃれな人とは少し違うものを身につけていて、その着こなしにわたしはとても惹かれていました。

彼女たちが好きだったブランドの一つが、「ピッコーネ」でした。

当時東京のデパートなどでは扱っていなかったと記憶しています。

ユーモラスな司祭さんがモチーフになっていて、ゴルフウエアやシャツ、ワンピースなどのロゴとなっていました。

いつかローマに行った時、スペイン広場を上がり右手に曲がった路地に、小さなブティックがありました。

ピッコーネでした。

さて、８０年代には東京で彼の展覧会が開催されました。

それがフォロンの作品でした。

それを見てすぐに思い出したのがピッコーネのユーモラスな司祭さんです。

どうやらピッコーネは、フォロンの司祭さんをモチーフにブランドを立ち上げたようでした。

ピッコーネといえば、今年はさらに嬉しい再会が重なりました。

ブログで知り合い、実際にお会いするようになったてぶくろさんが、このブランドをお店で扱ってらっしゃるのです。

彼女の扱ってらっしゃる高品質の手袋が好きで買わせていただいているのですが、あのユーモラスな司祭さんがロゴになったお洋服、傘、トートバッグも扱ってらっしゃり、あまりに懐かしく、傘をオーダーさせていただきました。

さて、わたし自身も今回初めて知ったのですが、フォロンはなんと、Apple社のあの「かじったりんご」のロゴを、スティーブ・ジョブ直々にオーダーを受けて作り出した本人だったのです。

チャペルに足を踏み入れると、温かいものが天からふわっと舞い降りてきて、優しく包まれるような気がします。

フォロンマジック、みなさんにもこのチャペルで味わっていただきたいです。

てぶくろさんのお店のサイトから
可愛い！ピッコーネのトートバッグ

これも素敵！スカーフバッグ