今年から書を習い始めました。

日本を離れここニューヨークで本格的に書を習えるのは運がいいとしか言いようがありません。

しかも教えてくださる先生は在ニューヨーク50年。
日本の協会ともつながりが深く
ずっと日本クラブで教えてくださっています。

先生の字が大好きで習い始めてどんどん楽しくなっています。

まだまだ初心者ですが魅力にはまりつつあるのが「墨」です。

墨をするとき仄かに薫るあの墨の匂いに癒されます。

↓は先生がおつかいになっている玄勝堂の墨です。

わたしも先生と一緒に取り寄せていただくことにしました。

墨といえば奈良。

15世紀に空海が持ち帰った製法で

作られています。

玄勝堂は、奈良の老舗の墨舗で、最高級の菜種油煙を使った油煙墨を製造しています。


墨は、上質な原料と伝統的な製法から、漆黒の色合い、優れた書き心地、そして書いた時の深みと光沢が特徴だそう。
写経や漢字、かな書など幅広い書道で愛用され有名な先生方が好まれているようです。





こちらはお値段2万５千円。たかが墨に。。。って思いますよね。

けれど、下のお写真をご覧ください。

墨は布に包まれた上で木箱に収められています。

作られた年原料なども墨で記載されています。版はこの墨を造られた方のお名前かと。



グレーのグラデーションはすりかた次第でこんなにもいろいろな色が出せるというお手本です。


大きな文字や繊細な細字では使う墨も違うということを今回初めて知りました。

こういう伝統品を伝える老舗というのは作り手がいてこそ。

けれどこんな世の中ですから先のことは分かりません。

人生は今、です。リハーサルはなしいつもが本番ですものね。

だから後悔がないようこの美しい墨の作り手を想像しながら書をしたためてみたいと思います。